「フラガール」 [映画(2006)]
常磐ハワイアンセンターの話と聞いてしまうと、とても「観たい」とは思わないのだが、割と評判が良い様子なので気が変わり観てみた。僕が行ったワーナーマイカル新百合ヶ丘の夜の回は、平日であったが30人くらいの入り。但し年齢層がとても高く、チケット売り場の窓口ではシルバー割引連発状態。まさに僕のイメージの常磐ハワイアンセンターの客層である。
ストーリーはハワイアンセンターの準備段階から杮落としまでを、ショーガールに焦点を絞って描かれている。それに縮小されていく炭鉱の話が絡み、昭和40年の高度成長期の光と影が描かれ、最後まで退屈せずに観られた。ストーリー展開に関しては、想像の範囲内という印象が強く、とんでもない展開はしない。安心して観られる娯楽作品になっているので、先に書いた高齢の観客も楽しんで観られたと思う。
しかし、その安定感が返って物足りなさを感じさせたのも事実。決して悪いことではないが、予定調和な感じが以前の松竹プログラムピクチャー的で、『寅さん』映画の併映で『釣りバカ』以前の栗山富夫作品っぽい印象を受けた。李相日監督はまだキャリアは比較的浅いものの、既にベテラン監督っぽい力量を感じた。
映画が始まってすぐ、役者の芝居が大袈裟に思え、少し眉を顰めたのだが、皆同じ調子なので次第に慣れてくると、それも気にならなくなり映画に集中できた。途中のフラダンスの練習シーンで、お約束のスローモーションと好みでない音楽に野暮ったさを感じたものの、時代が昭和40年だから垢抜けなくて当然、と自分に言い聞かせて乗り切り、駅のシーンは昔のテレビの青春物(中村雅俊とかが先生役だったあのシリーズ)で何度も観たような感じで、「今さらこんなのやめてくれ~」と言いたかったが、これも堪えると、最後の半ばドキュメンタリーのような素晴らしいダンスシーンが待っていた。
この蒼井優はとても魅力的だ。前半の地味(って程じゃないんだけど)な炭鉱街の娘が一気に花開いたような美しさが見事。それに松雪泰子、富司純子も好演。しずちゃんは元々のキャラクターを活かし存在感で押しているが、逆に彼女から存在感を消すことなど不可能であろう。その煽りを受けて(?)男優陣の影が薄いこと。豊川悦司にしても炭鉱夫には見えないし物足りない。尤も女の映画だから男はどうでもよかったのかも知れないが。
細かいこと言えば不満も結構あるのだが、それには目をつぶって、大らかな気持ちでフラガールたちの活躍を見守ることができれば楽しめる作品になっている。特に女性はかなり共感できる娯楽作品に仕上がっている。

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ふ~危ない。マスコミ評に騙されるとこだった・・。正直言うと渋谷の漫喫で丹下さんのチェック入れてて急遽、海と夕日と・・に変更して大・大正解だった。助かりました。おかげで無駄金使わず済みました。今後もよろしくです。
by アートフル ドジャー (2006-10-07 23:23)
『フラガール』も決して悪い映画ではないんですけど「マスコミが言う程じゃないな」ってのが僕の感想です。それにしても『ストロベリーフィールズ』気に入ってもらって良かった! やはり推薦するからには多少の責任は感じますので。ホッとしました。
by 丹下段平 (2006-10-08 16:07)
TBありがとう。
僕は逆に、豊悦は、性格破綻とかファンキな役どころが多いから、こういう田舎の兄ちゃん役には、新しい面を見る思いで、興味深いものがありました。
by kimion20002000 (2006-11-10 00:47)
コメントありがとうございました。確かに豊悦の役は彼のキャリアの中では異色だったかもしれません。でも、どうも都会的なイメージが強く、リアリティを感じられなかった印象でした。実は学生時代に工場でバイトした時、そこに昔炭鉱夫だったという人がいて、その人と豊悦にあまりにもギャップがあったのでそう思ったのです(ギャップがあって当然なのですが…)。
by 丹下段平 (2006-11-10 01:16)