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「七人の侍」(今月のおススメ) [映画-今月のおススメ]

七人の侍 [Blu-ray]黒澤明監督『七人の侍』、とタイトルを書いてみて、果たしてこんな名作中の名作を敢えてこのブログで紹介するのも野暮な気がしてくるのだが、先月発売されたBlu-rey Discを購入し観賞してみたところ、画質・音質があまりにも素晴らしく、思わず取り上げたくなってしまった。それに3時間27分という長尺の作品がたった1枚のディスクに収まってしまうのだから、時代も進歩したものだと感慨深い。思えば最初に買った『七人の侍』のソフトはレーザーディスク。それもアメリカ製だったのだが、確か記憶では4枚組で表裏ひっくり返して使うもの。そんな中断して作業する鬱陶しさも不要。入れてポンすりゃ最後までゆったり観られるのが嬉しい。

それにしても劇場、レーザーディスク、DVDと過去何度観たか分からない『七人の侍』なのだが、今まで観た中で(映画館での鑑賞も含む)一番良い状態で観られたんじゃなかろうか。画面は陰影がくっきりして鮮明。逆に良すぎて以前はあまり気にならなかったカツラとの境目まで見えてしまい、これはマイナスポイント。劣悪だった音質も格段にクリアになり、今まで聞き取れなかった台詞もかなり分かるようになった。特に菊千代(三船敏郎)が何てわめいてるのかが、半分くらいは分かるようになったことだけでも画期的である。

この作品については語りつくされているので、あまり詳しく書く気もしないのだが、クライマックスの豪雨の中での決戦が有名だが、最大の魅力は役者(キャラクター)にあると思う。野武士に対抗するため農民に雇われた侍7名。どれも個性的でキャラクターがしっかりしている分、各々への思い入れが深くなり観客と痛みが共有できるため他人事のように思えなくなってくる。特に粗野な菊千代(三船敏郎)、知将の勘兵衛(志村喬)、剣豪の久蔵(宮口精二)、若侍で修業の身の勝四郎(木村功)が印象に深いのだが、農民の利吉(土屋嘉男)や与平(左卜全)や長老(高堂国典)の熱演があってこそ侍たちも生きてくる。3時間27分の長さだが、その多くを人間ドラマに割いていることが何度観ても観飽きない奥の深い作品になった要因であろう。

何はともあれ、『七人の侍』に関して言いたいことはひとつだけ。

この作品を観ずして映画ファンを名乗るなかれ。

七人の侍.gif


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baldhatter

(お久しぶりです)
HDDレコーダがダメになったみたいなので、BD 移行を考えていたところですが、これは BD ソフトとして真っ先に買いたいですねぇ。

実は、『七人の侍』は少し前に米国版 DVDで買ったばかりだったのですが、これも今まで観たものより画質が良くて --- というより、雰囲気を損ねない程度にかなり画面が明るくなっているようです---、音質もクリアでした。BD ならそれ以上なんでしょうね。
by baldhatter (2009-11-01 20:15) 

nexus_6

様々な時代劇に登場する豪快なキャラクターの多くが、ほぼ三船敏郎の演技(というか黒澤明の演出)の影響を受けているような気がします。

Blu-ray... まだ手が出ません。-_-
by nexus_6 (2009-11-01 22:46) 

丹下段平

baldhatterさん、お久しぶりです。

米国版DVDをお持ちなんですね。僕も米国版LDを持っていたのですが、英語字幕が出るので聞き取り難い台詞を英語字幕で読んで理解したという本末転倒なことがありました。
by 丹下段平 (2009-11-02 00:37) 

丹下段平

nexus_6さん、こんにちは。

歌舞伎からの流れの様式的な殺陣とは全く異なるリアルな殺陣は黒澤=三船から始まったってことらしいですね。でも三船の運動神経の良さがあって成立したのでしょう。下手な役者じゃ単なる出鱈目になってしまいますから。
by 丹下段平 (2009-11-02 00:41) 

なぎ猫

そうそう。キャラクターはよく練られてますね。脚本、チーム仕事みたいだったらしいし。あと、うちにもDVDあるんですが、音声悪くて台詞が聞き取れないので、下に日本語字幕入れて鑑賞しています。
by なぎ猫 (2009-11-02 19:17) 

丹下段平

なぎ猫さん、こんにちは。
黒澤映画の多くは複数の脚本家が参加するチーム制でしたね。だから練られた上に魅力的なストーリー展開が成されたのかなと思います。

それにしても日本語字幕を必要とする日本映画ってあまり他にはないですよね。
by 丹下段平 (2009-11-03 02:00) 

bamboosora

この作品は僕も大好きで、丹下段平さんほどではありませんが、
何度も観ました。NHKのBS2で放送したのを3倍速で録画して
おいたのですが、それもどこかへいってしまいました。
DVDを購入しようと考えたこともあったのですが、2枚組みである
という点が引っ掛かって、決断できぬまま今に至ってたところだったので、
このBlu-rey Discの発売は有り難いことですよね。だって、初めて1枚の
ディスクで観られるんですもんね。
まずは、うちも早くBlu-reyのレコーダーを購入しないとね。
by bamboosora (2009-11-11 09:44) 

薔薇少女

「七人の侍」は、映画館へ勤めだして暫くしてからの作品です。
当時は映画に余り興味なく、長ったらしい映画だなぁ~という感じでした。
この頃は2本立てが主流だったんですが、さすがに、「七人の侍」は、
1本立てでしたね。
場内監視(指定席案内の為)の時に、思わず居眠ってしまい、
叱られた記憶があります・・・
支配人が、『この作品は後世に残る素晴らしい作品だ』って、
力説されてました。

by 薔薇少女 (2009-11-12 12:02) 

丹下段平

え、薔薇少女さん、映画館にお勤めだったんですか? それは知らなかったですね(忘れてただけ?)。
2本立てが主流だった時代で、長さが丁度2本分だったんでしょうね。

それにしても監視する立場の人が居眠りしてしまうとは大物ですね!
by 丹下段平 (2009-11-12 22:14) 

丹下段平

bamboosoraさん、こんにちは。長編映画が1枚に収まってしまうのですから凄いものです。逆にそんなに容量がでかいなら、ディスク1枚に2本映画を入れたっていいんじゃないのと思えてしまいます。
by 丹下段平 (2009-11-12 22:52) 

ハーポ

最近出版された《オールタイムベスト 日本映画編》では第2位でした。でもこうゆうベスト10をおこなうと上位に入る別格の作品と思います。
個人的には宮口精二さん演じる強さを追求した侍が好きです。
もし現代の俳優でリメイクするとしたら菊千代は誰が演じるんでしょう?


by ハーポ (2009-12-02 21:55) 

丹下段平

ハーポさん、こんにちは。

キネ旬が出した本ですね。何年かおきにこんな企画の本を出しますね。たいがい1位は『東京物語』か『七人の侍』のどっちかで、選者が変わると順位も変わるようです。
僕も宮口精二が一番カッコ良く印象的でした。雰囲気もイメージする侍っぽかった気がします。

リメイクですか…難しいですね。どう考えても三船敏郎以上になると思えないし。現代の役者で強いて言えば古田新太かなぁ、ってとこでしょうか。
by 丹下段平 (2009-12-03 02:20) 

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