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「ヒーローショー」 [映画(2010)]

刺激的且つ生々しい毒に溢れた作品で、とても面白かった。

と、最初に結論を書いたのは、この『ヒーローショー』が他のブログ等での感想が芳しくないため、まずは自分の立場を明確にしておきたかったからである。

暴力が連鎖して悪い方へ悪い方へと嵌まっていく悪夢のような展開。観賞後の(意図された)空虚感と脱力感。ヌーベルバーグ以降のヨーロッパ映画やアメリカンニューシネマを観た時のような懐かしい感覚が甦る。おそらくそんな作品群を観てきて影響を受けたであろう井筒和幸監督の真骨頂ではなかろうか。

実は『ヒーローショー』を観て「今の観客に、こんな映画臭い作品が受け入れられるのだろうか」と危惧したのだが、案の定。テレビドラマのスペシャル版のような邦画ばかり観てきた層には面白さが伝わらなかった様子である。そんな意味では観客を選ぶ作品なのかもしれない。

主役はお笑いコンビ・ジャルジャル(後藤淳平、福徳秀介)の二人。正直なところ、普段あまりテレビを観ないので、このお笑いコンビの存在を全く知らなかった。そうと知らされなければお笑いコンビだと気がつかなかったに違いない。ましてや千葉と山梨出身という設定なので、彼らが関西系だとも思わなかったことだろう。井筒監督がお笑いコンビを主役に据えたのはこれが3度目。『ガキ帝国』の紳助・竜介、『岸和田少年愚連隊』のナインティナイン、そしてこのジャルジャルなのだが、前2作は関西が舞台であったのに対し、今回は関東が舞台。言葉を武器にしているお笑いコンビから、その武器を奪ったようなもので、おそらく前2作のコンビよりも苦労したのではなかろうか。その一方、関西弁に漂うユーモアが無い分緊迫感溢れ、より生々しい作風になっている。

必ずしも万人向けとは言えないものの、古今問わず幅広いジャンルの作品を観てきた映画ファンには薦めてみたい作品である。

ヒーローショー.gif


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コメント 6

ばん

井筒監督には東京の晴海ふ頭で直接お会いした事がありますが
とても良い方でした。
by ばん (2010-06-04 08:48) 

なぎ猫

邦画バブル?といってもテレビドラマスペシャルとか、もういいかげんにしてよ、と思っていたところに一石を投じた映画なんでしょうか?
by なぎ猫 (2010-06-04 10:09) 

丹下段平

ばんさん、こんにちは。
井筒監督に会ったとは少し羨ましいです。映画の話、してみたいですね。
by 丹下段平 (2010-06-05 00:26) 

丹下段平

なぎ猫さん、こんにちは。
井筒監督なら、そのくらいの意気込みがあったかもしれませんね。
テレビ局には創れないような毒があります。
by 丹下段平 (2010-06-05 00:29) 

薔薇少女

昨日は名駅に用事があったのでついでに超久々、
映画『セックス&ザシティ』観てきました。
何もかも忘れてゴージャスな4人娘?を楽しんできました。
『SMAP&SMAP』でゲスト出演した4人のコメントもとっても面白かったぁ~
いつも、記事と関係ないコメントで申し訳ないです。
by 薔薇少女 (2010-06-08 08:05) 

丹下段平

薔薇少女さん、こんにちは。
気分転換には良かったんじゃないですか?
このシリーズって女性向けって気がして、なかなか観ようって気になれないんですよね。
by 丹下段平 (2010-06-09 01:05) 

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