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「きみがぼくを見つけた日」 [映画(2009)]

タイムトラベルできたらどんなに楽しいかと考える。あの時代この時代のあの場所この場所にと、行ってみたい所はたくさんある。しかし、映画に描かれるタイムトラベラーは苦痛が多い割にはあまり幸せな運命を辿らないようだ。

この『きみがぼくを見つけた日』のタイムトラベラー・ヘンリー(エリック・バナ)は、いつタイムトラベルするのか分からず、どの時代に行くのかも運命任せでしかないため、一層大変な思いをする。おまけに時空を超えるのは肉体のみで、身に纏っていたものは残されてしまうため、着いた先では素っ裸。先ずは服を探さなければならない羽目になるのが悲劇である。行った先である程度の時間が過ぎると元いた時代・場所に戻って来られるのが不幸中の幸いなのだろうか。

この作品、冒頭で運命の女性・クレア(レイチェル・マクアダムス)にヘンリーが声を掛けられる場面から始まる。クレアは既にヘンリーに会っているのだが、ヘンリーはクレアとは初対面で何のことやら分からない。つまり後にタイムトラベルしたヘンリーが昔のクレアに出会っていたのだ。何となくこの場面がラストシーンになってもおかしくないように思えるのだが、結ばれた二人がどんな運命を辿るのかが、この映画の描かんとしたところ。こんな彼では当然普通の夫婦生活は送れない。タイムトラベルがあったからこそ素敵な出会いがあったのだが、結ばれてからはそれが平凡な幸せを阻む結果になっていく。

基本的にタイムトラベル物はジャンルとして好きなので、この『きみがぼくを見つけた日』も面白く観ることができた。いや、面白くと言ってはタイムトラベラー氏に申し訳ない気もするのだが、この先どうなってしまうのかと最後まで物語に引きつけられた。タイムトラベルすることの物語的な面白さよりも、そんな困難を夫婦になったヘンリーとクレアがどう対処していくのかが創り手の意図するところである。

それにしても、やっぱり一度でいいからタイムトラベルを体験してみたいもの。その時はぜひ…

せめて下着だけは着けたままで飛ばしてくれ~

きみがぼくを見つけた日.gif


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「スペル」 [映画(2009)]

モーレツ婆ちゃんの逆ギレで、クリスティンがタイヘンなことにっ!

って映画。銀行員のクリスティン(アリソン・ローマン)が、ローンの返済を滞納した老婆(ローナ・レイヴァー)の家を差し押さえたところ、襲われるは呪いを掛けられるはで、もうタ~イヘン。そこから地獄のような3日間のはじまりはじまり。婆さんだけでもシンドイのに悪霊のラミアまで襲いかかってくる始末。対するクリスティンの側は、ひ弱を絵に描いて額縁に入れたような彼氏(ジャスティン・ロング)とパパイヤ鈴木似の霊感士(ディリープ・ラオ)。これじゃどうにも分が悪い。オロオロしている間もなくキョーレツ婆さんのゲロゲーロ攻撃。果たしてクリスティンはこの苦境を乗り越えられるのかいっ? …みたいなカンジ。

最近ではすっかり『スパイダーマン』シリーズのヒットメーカーみたくなったサム・ライミ監督だけど、本作でホームグラウンドのホラーに帰って来て、久しぶりに羽を伸ばして楽しんで創ってる雰囲気が伝わってくる。決して斬新な手法に挑んでいる訳じゃないけど、ホラー職人の手堅い面白さを満喫でき、キッカリ入場料分は驚かせてくれる。過ぎるくらいの過剰な演出も、ここまでくれば匠の技。

こんな作品は事前の情報が少ない方が楽しめる。書き過ぎないのが先に観た者の務め。驚いたり笑ったりして、くれぐれも入れ歯を飛ばさないように!

スペル.gif


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「コネクテッド」 [映画(2009)]

これは(文句はあるけど)面白かった。何より香港の地形や街並みを活かしたロケーションが効果的で良かった。誘拐事件に全くの他人が巻き込まれて、行きがかり上助けなければならない羽目になるアイディアも良かったのだが、ハリウッド映画『セルラー』のリメイクなので、アイディアが良かったという褒め言葉は『セルラー』の創り手に言うべきなのだろうか。でも、そのオリジナルを観ていないので、この『コネクテッド』はストレートなアクション・サスペンスとして純粋に楽しめた。

ロボット設計士のグレイス(バービー・スー)は一人娘のティンティンを車で学校に送り、その帰りにいきなり車をぶつけられて何者かに誘拐されて薄暗い小屋に拉致されてしまう。グレイスは犯人たちが出かけた隙に、壊された電話機を何とか話せる程度に修理し電話をかけてみる。繋がったのは妻に逃げられ、子供も留学するために香港を飛び立とうとしているサラリーマンのアボン(ルイス・クー)の携帯電話であった。助けを請うグレイスからの電話を通りがかりの警察官(ニック・チョン)に手渡すも、その時グレイスは犯人グループが戻って来たため会話ができず。警察官は去るが、アボンの耳に入ってきたのは犯人グループのリーダー(リウ・イエ)がグレイスの弟の居場所を尋ねる恫喝する声。そして連行された弟の友人を射殺する銃弾の音。グレイスは弟の居場所を知らないと言い張るが犯人には信じてもらえず、次はグレイスの娘を殺すと告げると立ち去ってしまった。アボンはひとりになったグレイスから娘を助けてほしいと懇願される。息子が空港を飛び立つ時間が迫っているアボンは一瞬躊躇うものの、グレイスの必死な声に絆されて、彼女の娘が通う小学校に車を走らせたのだが…というお話。

ここからアクションのオンパレードになるのだが、スピーディー且つ迫力のシーンの連続に目はくぎ付けになる。この作品を監督したベニー・チャンは以前見た監督作品『プロジェクトBB』の時は感じなかったけど、とにかくアクション・シーンの演出が上手い。ティンティンが先に犯人に捕まり、その車をアボンが追うカーアクションが秀逸であるのだが、冒頭でグレイスが誘拐される時のほんの一瞬のアクションも突然な感じがショッキングで見事であった。

ただし気になった(と言うか気に入らなかった)点も幾つかある。一番感心しなかったのは犯罪組織。手口があまりにもずさんで大雑把なのである。良く言えば大胆不敵なのだが、「こんなんじゃ、すぐに足がつくでしょうに」と言いたくなるような不完全犯罪の数々。そもそも彼らがグレイスの弟を探しているのは、犯行現場を目撃された上にビデオでたまたま撮られてしまったからなのだが、「そんな所で凶悪犯罪を犯す方が悪い」と犯罪にはシロートの僕(当たり前なのだが)でも思うくらいのずさんさ加減。グレイスを誘拐した後もいろいろな所で目撃されたり証拠を残しまくり、完全犯罪とは程遠い有様。「これはお国柄で、香港の犯罪者はこんなもの」と言われてしまえばそれまでだが、もう少し犯人たちには周りに気を配ってほしかった(って僕はどっちの味方なんだ?)。

まぁ、そんなこんなも作品自体がエネルギッシュなので、勢いだけで持ってかれてしまい、致命的なマイナス点に感じる暇もない。ベニー・チャン監督はアクションなら今後も作品に期待できる。

それにしても、この作品の劇場公開は多くの地域で終わっていることだろう。できれば映画館で迫力を体験してもらいたかったのだが、致し方ない。ぜひ機会があったらDVDで観てもらいたい。

コネクテッド.gif


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「携帯彼氏」 [映画(2009)]

首都圏で電車に乗ると、8割くらいの乗客が黙々と携帯電話をいじっている。何か異様だよなぁ、と思いながらも自分でも携帯電話を取り出して…なんてことがすっかり日常的な都会の光景になっている。メール、インターネット、ゲームと各々目的は異なっていても、手にしているのは携帯電話。よくもまぁ、そんなに熱中できるものだと感心するやら呆れるやら。

この映画『携帯彼氏』はそんな携帯電話のゲームに纏わるサスペンス(ホラー?)。物語は女子高生の里美(川島海荷)の同級生・真由美が謎の自殺をしたことが発端で、真由美は携帯のゲーム『携帯彼氏』に殺されると生前語っていた。『携帯彼氏』は携帯の中の仮想彼氏とメールなどをやり取りして相性を上げていく恋愛シュミレーションゲームで女子高生の間で人気になっている。しかしラブゲージが0か100になると持ち主に何か悪い事が起きるとの噂にもなっている。里美は真由美の死に疑問を持ち、真由美の携帯彼氏であるリクを自分の携帯電話に移す。里美の親友・由香(朝倉あき)とともに謎を解こうと試みるのだが、由香の携帯彼氏・マサヤとのラブゲージがどんどん下がっていき、恐ろしくなった由香は…ってなもの。

子供だまし…

というのが、残念ながらオジサン(俺)の率直な印象。謎の死と『携帯彼氏』との因果関係とか、そもそも『携帯彼氏』がなぜそんな力を持つようになったのかとか、説得力ゼロで、サスペンスとして全くハラハラするところがなく、こちらはシラケた傍観者にしかなれなかった。これでも演出力がある監督なら、演出の勢いだけでそこそこの満足感なら与えてくれたのかもしれないが、そんなセンスも感じられずにただただ時間が流れるのみ。

この作品は元々が携帯小説だったらしいが、そろそろ携帯小説の映画化も考え直すべきではなかろうか。やはりお話として、ちゃんとした作家の作品からは一段二段落ちる。深さは無く安直な展開。おまけに映画へ脚色したのは以前貶した『リアル鬼ごっこ』の監督だし、これじゃ良くなるはずがない。ウケるとしたら、せいぜい携帯小説の主な読者の女子高生辺りまでだろう。

オジサンでも、昔『月曜ドラマランド』が好きだった人には楽しめるかも…?

携帯彼氏.gif


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「パイレーツ・ロック」 [映画(2009)]

パイレーツ・ロック オリジナル・サウンドトラック『パイレーツ・ロック』は、こんな作品を楽しめる自分は「まだまだ心までは老けちゃいないな」って確認できる、リトマス試験紙みたいな映画なのかもしれない。

1966年のイギリス。唯一のラジオ局である国営放送BBCは、ポップスを放送できる時間を1日に45分と規制していた。ブリティッシュ・ロックの人気が最高潮であった時代にあって、世間の欲求はたかだか45分では収まらない。そんな中、人気を博していたのが「ラジオ・ロック」と名乗る海賊放送局。ここでは24時間ロック、ポップス一色。海上に停泊した船から人気DJの軽快なトークと共にザ・ローリング・ストーンズやザ・キンクスやザ・フー等のヒット曲がイギリス国民に届けられる。そんな状況に眉をひそめる国家は放送を辞めさせるべく動き始めるのだが…ってなお話。

海の上で大好きな音楽と気ままな暮らし。一応女人禁制ながら至ってユルい規則なので、尻の軽い女の子たちが入れ替わり立ち替わりやって来るのでセックスには不自由しない。言わば子供の頃の秘密基地のような空間で、世間体など気にせず堅い大人になんてなる必要のない理想郷のような環境。しかもDJだったら見た目不細工でもモテまくりっ。映画では政府の締め付けもあまり厳しくないため「体制VS反体制」なんて堅苦しさもほとんど感じられない。思わず「俺もまぜてくれっ」と言いたくなるようなパラダイス。

この作品は実話の映画化ではないものの、設定の1966年のイギリスでは実際にこんな状況でこんな海賊ラジオ局が実在したらしい。映画ではDJさえ務まればフィリップ・シーモア・ホフマン(『カポーティ』とかに出てた人)やニック・フロスト(『ホット・ファズ 俺たちスーパーポリスメン!』とかに出てた人)みたいなデブチンでもモテモテ。「あゝ、自分の目指すべき職業はラジオのDJだった」と後悔することしきり…

でも口ベタだから、どっちみちダメだっちゅ~の!

パイレーツロック.gif


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「クヒオ大佐」 [映画(2009)]

この『クヒオ大佐』の元ネタである実際にあった事件のことは今でも覚えている。自分を外国人と偽り次々と結婚詐欺を繰り返して逮捕された男。彼の顔写真付きの新聞記事を読んで、そのあまりにもミエミエな胡散臭さに思わず大爆笑してしまった。そして彼に騙されて大金を貢いでしまった被害者女性には「こんな奴に騙されるアンタが悪い」という意識しかなく、同情心のカケラも抱かなかった。

あれから随分月日は経ち、この事件が映画になると知り再び当時を思い出したのだが、こちらもすっかり大人になり、被害者女性たちに対しては多少見方も変わってきた。

騙された女性たちは本当に騙されていたのだろうか?

騙されていることを承知で金を貢いでいたのではないか?

騙されているフリを続けなければ彼が去ってしまうと恐れたのではないか?

など、いろいろな推測が頭に浮かんできた。そして創り手はどんな解釈をしているのかと興味津々で映画を観た。

監督は前作『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』が面白かった吉田大八。おまけに被害者女性のひとりに、今年個人的に赤丸急上昇中の満島ひかりがキャスティングされているとあっては期待度大な作品であったのだが…

つまらなかった…

僕が内容的に興味を持っていた部分はほとんど掘り下げておらず、事件を表面的になぞった再現フィルム程度の底の浅い作品でしかなかった。はっきり言って

ガッカリ…

もしかしたら、この事件を知っていた人と知らなかった人では映画の印象が変わるのかもしれない。事件自体がバカバカしくも斬新であったことには違いないからである。しかし敢えて今の時代に『クヒオ大佐』を掘り返すなら、現代社会に通ずる何かが映画から読み取れるか、あるいは人間ドラマとして深いもので、いつの時代も変わらぬヒトの「業」を描き切るくらいのものがあって然るべきではなかったのか。単に「滑稽な事件のことを思い出したので創りました」では物足りなさしか残らない。

残念ながら吉田大八監督は2作目にして僕的には評価をかなり落とした。主役の堺雅人や騙される哀れな女性を演じた松雪泰子が好キャスティングだっただけに返す返すも残念(お目当ての満島ひかりはまずまず)。

こんな素材は唐十郎が作品にしたら面白かったんだろうけどなぁ…

クヒオ大佐.gif


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「悪夢のエレベーター」 [映画(2009)]

役者の好演があって、なかなか面白かった。エレベーターに閉じ込められた男3名(内野聖陽、モト冬樹、斎藤工)と女1名(佐津川愛美)の笑えるサスペンス物で、この4人が各々秘密にしていることがあるのだが、それが解けていくことで展開が二転三転するため目が離せない。こんな映画はネタバレすると全く面白くなくなってしまうので内容に触れるのはここまでにしておきたい。

それにしても以前からベタ褒めしている佐津川愛美が今回も良く、エレベーターの中(だけじゃないけどね)という限られた空間で繰り広げられる役者の実力が全てのような設定にあって、物語を盛り上げれ役割を充分にこなしており、逆に上手すぎるだろうと思えるほど(なぜかを書くとネタバレするのだが)。他にはヤクザ風の男を演じた内野聖陽や超能力者のモト冬樹も可笑しかった。エレベーターの外組の芦名星や本上まなみも的役で良かったが、特に管理人を演じた大堀こういちは反則のような出色の演技。

…とまぁ、書いてはみたものの、チラシに「口コミ禁止」って書いてあったから、それに従ってここまでにしておく。決して手抜きではありませんよ。

悪夢のエレベーター.gif


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「エスター」 [映画(2009)]

エスターポスター.jpg衝動的に「怖い映画」が観たくなる時がある。この日も本当は『あの日、欲望の大地で』を観るつもりだったのに、シネコンで『エスター』のポスターを目にしたら急にこっちが観たくなってしまったので、突如観賞作品を変更してしまったのだった。

物語は3人目の子供を死産してしまった夫婦がその代わりに養女として孤児院から物静かで絵を描くことが好きなエスター(イザベル・ファーマン)を引き取るのだが、一緒に暮らし始めると一転、エスターが実はとんでもなく凶暴で腹黒い子だったことに気が付き、身の危険を感じ始めていくというもの。鈍感な夫(ピーター・サースガード)はエスターを庇うが、妻(ベラ・ファーミガ)と2人の実子はエスターの狂気に追い詰められていく。エスターは2人の子供には実際に脅して服従させていく一方で、妻には精神的なダメージを与えていくのが巧妙。

ガラスの使い方や戸の開け閉めなど典型的なホラー映画の手法で観客の不安感を煽るものの、ショックを与えるような過剰な驚かせ方は控え、物語を重視したスリラーになっている。監督のハウメ・コジェ=セラは、以前メガホンを取ったホラー『蝋人形の館』に比べ、残酷描写を我慢して、登場人物の肉体よりも精神を追い詰めるという異なる恐怖を描こうとスタイルに変化をもたせている。よって残虐ホラーを観た後の緊張から解き放たれた爽快感(?)はなく、何となくモヤモヤした気の重さを残すイヤ~なタイプの作品になっている。

多少物語には強引なところもあるが、伏線が良く張られており謎が解けていくに従って「なるほど、こういうことだったのね」と妙にナットク。あまり有名じゃない役者たちの好演も光る。特にタイトルロールのエスターを演じたイザベル・ファーマンの堂々とした悪役ぶりには舌を巻く。彼女の存在感なしにはこの作品の凄味は出なかったに違いない。

そんなに刺激的な作品ではないけれど、イヤ~な気分とヒヤリとする感覚を楽しみたい人にはお勧め。

エスター.gif


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「ハウエルズ家のちょっとおかしなお葬式」 [映画(2009)]

お葬式のドタバタ劇といえば伊丹十三監督の『お葬式』がまず頭に浮かんでくる。この『ハウエルズ家のちょっとおかしなお葬式』を監督したフランク・オズ(懐かしい)は伊丹監督作品を観てパクったのか、単なる偶然だったのか分からないが、コンセプトは全く同じ。厳格な儀式のはずが、いくつものトラブルに巻き込まれていくコメディである。

父親が亡くなり、ショックを受けている母親(ジェーン・アッシャー)の代わりに葬儀を仕切ることになった長男ダニエル(マシュー・マクファディン)を中心に、個性的な参列者がとんでもない珍事件を巻き起こす。おまけに死んだ父親までもとんでもない趣味を隠していたため収拾つかない事態に発展してしまう。シッチャカメッチャカになった葬儀を最後まで進め、無事に天国へと送り出すことができるのか・・・? というお話。

さすがはイギリスが舞台なだけに、笑いもかなりブラック。麻薬とアブノーマルセックスが騒動の引き金になっている。参列者も自分勝手で、小心者のダニエルの悩みをさらに大きくすることになり、観ていて気の毒なんだけど可笑しい。

過去に同じような作品があったためなのだろうか、この作品への世間の注目度は極めて低い様子。しかしそんなことを抜きにすれば面白さは抜群。かなりの拾い物なので機会があったらぜひ観てみてほしい。

ハウエルズ家.gif


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「リミッツ・オブ・コントロール」 [映画(2009)]

この作品のようにコメントし辛い映画は本当に困る。絶賛すればいかにも「ツウ」で「分かってる」ように思ってもらえるんじゃないかとスケベ心が顔を覗かせるのだが、素直な感想を書こうと決めているからにはそうはいかない。退屈はしないけど大して面白くもない、実に掴み所に困る厄介な映画。ジム・ジャームッシュ監督作品って昔からそうだった。

彼の作品はごく狭い範囲にいる彼と同程度の映画マニア層に向けて創られている気がする。その点、タランティーノにも同じようなものを感じるのだが、志向が(歪んではいるが)メジャー寄りなので一般的にも受け入れやすい。一方ジャームッシュはヨーロッパ映画なんだろうか。悪くはないが大衆性に欠ける。

殺し屋なんだかスパイなんだか分からないが、コードネーム“孤独な男”(イザック・ド・バンコレ)は「自分こそ偉大だと思う男を墓場に送る」という曖昧な指令を受けてスペインへ向かう。男の元へ仲間らしき者が入れ替わり立ち替わり現れては次の行動の指示を告げる。男はスペインのあちらこちらへと移動しながら、次第に自分こそ偉大だと思う男に近付いていく…のか? …みたいなカンジ。主役のイザック・ド・バンコレの他、ティルダ・スウィントン、工藤夕貴、ビル・マーレイ、ジョン・ハートらの過去にジム・ジャームッシュの作品に出演した出演者などが絡むのだが、その中で一番の大物がなかなか登場しないので、その人物が自分こそ偉大だと思う男だろうことは予測できた。

この作品、説明的な台詞は一切省かれているので、全ての存在が明確にならず、後は観客が勝手に想像して補足していかねばならない。例え観る側がジム・ジャームッシュの意図するところとかけ離れたことを考えても、頭の中で辻褄が合えばそれでいいってことなんだろう。

日本で最初に公開されたジャームッシュ作品『ストレンジャー・ザン・パラダイス』から『ナイト・オン・ザ・プラネット』くらいまでは結構気に入って観ていたものだが、新鮮さを感じなくなったスタイルにだんだんと興味が薄れてきて、最近の作品は観ていないものも少なくない。それでもあまり惜しいと思わなくなってしまったのが、何だか寂しいよなぁ…。

リミッツオブコントロール.gif


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