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歳末放出市 [映画(2008)]

今年も後僅かでお終い。自分的には札幌へ転勤になったり、あれやこれやで激動の一年だった。

転勤も含めていろいろな状況が重なり合って、なかなか記事を書く余裕がなかった時期がある。なので映画は観たけどブログで紹介できなかった作品が5本残っている。鑑賞後、随分時間が過ぎてしまい、公開自体も終了している作品は、今更独立した記事にする気力が失せてしまったので、それぞれ一言コメントのみにして、今年の内に放出してスッキリさせておきたい。


『ゲットスマート(ピーター・シーガル)

これは面白かった。嘗てのスパイアクションの雰囲気を持ち込んだコメディ。スティーヴ・カレルが今回もケッサク。ほんのチョイ役のビル・マーレイがこれまたケッサク。共演のアン・ハサウェイやドウェイン・ジョンソンやアラン・アーキンも好演しており、もう一度DVDで観てみたい作品。この作品はちゃんと記事にすればよかった…


『イーグルアイ(D・J・カルーソ)

ヒッチコック的なシーンが多々あり、クライマックスは明らかに『知りすぎていた男』のパクリ。ちょっと度が過ぎて、あまりいい気分にはなれなかったサスペンス作品。


『東南角部屋二階の女(池田千尋)

苦手なタイプの作品。切れの悪い演出は、僕にとっては無駄な時間を過ごしている気分にしかさせてくれなかった。それにしても、こんな低予算映画に大女優・香川京子がよく出演したよなぁ…


『1408号室(ミカエル・ハフストローム)

スティーブン・キング原作のホラー。なかなか面白かったけど、上品な創りの分、それほど怖くは感じなかった作品。もう一押しが欲しかった。


『彼が二度愛したS(マーセル・ラングネッガー)

都会の孤独を描いた大人のドラマ、と思いきや、後半はあまりハラハラしないサスペンス。悪くはないのだが、文芸調の雰囲気とサスペンスな展開が微妙に噛み合わず、印象の薄いものになってしまったと思う。ヒュー・ジャックマン、ユアン・マクレガー、シャーロット・ランプリング、ミシェル・ウィリアムズと魅力的なキャスティングだっただけに惜しまれる作品。


一応、こんな形ながら記事にできたのでスッキリと新年を迎えられます…なんて大袈裟だったかな?

ゲットスマート.JPG


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「ミラーズ」 [映画(2008)]

火事で焼けたデパートと病院の廃墟。もうそんな舞台設定だけで怖いホラー作品。

元刑事のベン(キーファー・サザーランド)は火事で廃墟となったデパートの夜勤の職を得、仕事を始める。彼は妻(ポーラ・パットン)と子供2人とは別居しており、妹(エイミー・スマート)と二人暮らしをしている。デパートは火事にあった状態のまま残っており、焼け焦げたマネキンや展示物が置かれたままである。そんな中で見つけた大きな鏡。覗いてみると火事の様子が映し出されたり幻覚を起こさせたりしてベンに襲いかかる。ベンへの攻撃は日常でも止まず、鏡という鏡が幻覚を起こさせるようになった。そしてその脅威は彼の家族や妹までに広がっていく。ベンは謎の鏡について調べていくうちに、そこがデパートの前に病院だったことを知り…といった話。

確かに怖いことは怖かったのだが、何となく納得いかない話に、すっきりと怖がれなかった。ホラーに辻褄を求めるのは野暮なのかもしれないが、もうちょっとちゃんとした理由づけが欲しかった。オチだって発想としては悪くないのだが、鏡の秘密が分かったからにはああはならないんじゃないかと思ってしまった。

何ともモヤモヤが残るストーリーに、舞台設定としては面白かっただけに残念な気持ちで劇場を後にした。まぁ、B級なだけにこんなものなのかもしれないが…。

それにしても監督したアレクサンドル・アジャってホラー映画界の期待の星らしいけど、こんなもん? 製作・原案・脚本を担当して監督しなかった『P2』(→記事)の方が面白かったぞ。

ミラーズ.jpg


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「天国はまだ遠く」 [映画(2008)]

札幌のような地方都市の場合、ミニシアター系の作品は首都圏での公開が終わってからになりがちである。多分少ない数しかプリントしないだろうから、おそらく東京などで役目を終えたフイルムが回ってくるのであろう。この『天国までまだ遠く』もそんな中の一本。地味そうな作品ながら、映画サイトへの書き込みなどを読むと、なかなか評判が良さそうである。それなら期待できるのかと思い、鑑賞してみる気になった。

自殺するために京都の宮津に辿り着いた千鶴(加藤ローサ)。タクシーの運転手(宮川大助)に人のいない場所と告げ、連れてこられたのは山奥にある「民宿たむら」。風変りな主人の田村(徳井義実)に出迎えられ、2階の部屋でひとりになったところで大量の睡眠薬を飲み自殺を図る。…が、失敗。死ななかった替わりに1日以上眠りっぱなしだったことを知る。そんな事情を知らずに出された田村の朝食。あまりの美味しさに自殺未遂したことも忘れて頬張る千鶴。食後、宿の近所をあてもなく歩き始めた千鶴は…というお話。

絶望の淵から生きていることの素晴らしさを知り、立ち直っていく千鶴の姿は感動的であった、と書きたかったところだが、どうも最初からノレないまま終わってしまった。加藤ローサ演じる千鶴から自殺という最終手段を選ぶほどの絶望的な切迫感が感じられず、その悲しみのどん底から小さな喜びを見つけ出しつつ這い上がっていくような感動が伝わってこなかった。物語の中で語られる自殺の原因も説得力に欠けるもので、「それで自殺するなら、世の中のサラリーマンの半分は自殺しちゃうよ」と思え、とてもじゃないけど共感できるものではなかった。宿の主の田村は飄々とした感じが良かったが、恋人に目の前で自殺されたエピソードが、事情についてのやりとりがなく、何となく納得いかず、物語性の少ない作品にあってキーとなるものが曖昧な感じで、全体的に死というものについて軽い印象が残り、スクリーンの中の物語から心が離れていくのを禁じ得なかった。

原作は瀬尾まいこの同名小説だが未読。と言うか彼女の作品は一冊も読んでいない。が、映画化された『幸福な食卓』は観た。あちらでは主人公のBFが事故死するエピソードがあったが、何となく物語を展開させるために「死」という手段をとっている感じが好きになれない。今回は自殺未遂なのだが、「死」の取り扱いの軽さに流行作家的な厭らしささえ感じてしまう。もっとも映画化されたのがたまたまな2作品なのかも知れないので、読んでないこちらは批判めいたものを言う資格はないのだが、彼女の作品を手に取ってみようという気が起きないのでどうしようもない。

加藤ローサの映画って、予想以上に良いことが多かったのだが、今回はちょっと残念。もっとも自殺しようとするキャラが合っていなかったのだからしょうがないのだが。

天国はまだ遠く.jpg

(後日談)


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「デス・レース」 [映画(2008)]

B級映画の帝王ロジャー・コーマンの製作で1975年に創られた『デス・レース2000年』のリメイク。公開は1977年で、ほぼ同時期に公開された『ロッキー』でシルベスタ・スタローンが大ブレークしたため、大慌てで彼が主役であるかのように思える宣伝をしていたと記憶している。でも残念ながら作品自体は観ていない。どうせロジャー・コーマンだから低予算だけどアイディア勝負で、それなりには面白い作品だったのだろう。だからこそ今回のリメイクと相成ったものと思われる。この『デス・レース』にもロジャー・コーマンは製作総指揮に名を連ねている。結構製作費は掛かっていそうだが、キャストは地味目の役者が固めている。

2012年、民営化された刑務所は囚人たちに殺人紛いの『デス・レース』を競わせ、それをテレビ放映し高い視聴率を上げ、多額の収入源としていた。妻殺しの冤罪で収容されたジェンセン・エイムズ(ジェイソン・ステイサム)は元レーサーの腕を見込まれ、この『デス・レース』でハンドルを握るよう署長から要請される。勝てば釈放するという条件に惹かれ参加することになったエイムズであったが、前回のレースで不慮の死を遂げた、覆面の人気レーサーフランケンシュタインの身代わりでの参加が義務付けられた。世間にはフランケンシュタインが死んだことは公表されておらず、フランケンの復活に視聴率がアップすることを目論んでいた。鋼鉄の塊のような車に武器を取り付けた車によるレースが始まる。そしてその裏にはとんでもない陰謀があることをエイムズは知らず、女囚のケース(ナタリー・マルティネス)をナビゲーターとして横に乗せ、走り始めるのであったが…というお話。

こんなB級映画に細かいことを注文してもあまり意味がない。なかなか面白かった、で感想は十分。陰謀によって殺された妻への気持ちが描かれていなかった、なんてのも重要なことではなかろう。「観客が退屈するような場面は削って上映時間を短くすれば上映回数が増やせる」くらいのことはロジャー・コーマンなら言っただろうから。

まぁ、頭空っぽにして、ただ楽しむ分にはうってつけの作品であろう。

デスレース.jpg


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「その日のまえに」 [映画(2008)]

札幌にいるとミニシアター系の作品はどうしても公開が東京に比べて遅れてしまう。この『その日のまえに』も1か月以上遅れてようやく観ることができた。これだけの期間が開くと、その間に評判が聞こえてくるもので、僕は先入観を持ちたくないのでなるべく避けるようにはしているのだが、この作品に関しては全く聞こえてこず、かえって気になってしまい、いくつかのサイトを見てみた。そこには否定的な意見が多数。前売りを買い、公開を楽しみにしていた身とすれば不安になってくる。半ば諦めにも近い境地で映画館の座席に着いたのだが、観始めるとそんな不安は吹き飛んで行った。それどころか感動に討ちふるえた。

大林宣彦復活!

と叫びたくなった。確かに一筋縄ではいかない撮り方をしているので戸惑う観客も多かったことだろう。僕は今回ほど、若い頃に背伸びしてATGの難解な作品を名画座で観ておいて良かったと思えたことはない。観念的で面白味のない作品を死にそうになるくらい退屈しながらも必死に食らいついて観ておいて良かったと思えたことはない。映画文法を維持することよりも、作家の心象風景を優先させた『その日のまえに』は、重松清の原作の呪縛から解き放たれた大林宣彦監督の傑作である。

物語は不治の癌を宣告された妻(永作博美)と夫(南原清隆)が、妻が死ぬまでの短い間にどのように愛を育んだかを軸に、彼らが思い出を辿りに訪れる、昔住んだ「浜風町」に去来する人々のドラマを織り込んだ内容になっている。

この浜風町を歩く永作とナンチャンの姿を観ているうちに、そのふたりが大林監督と大林映画のプロデューサーを務める奥方のように思えてきた。ずっと二人三脚で映画を創ってきた(たぶん)おしどり夫婦の愛の物語に観えてきた。もちろん主役の二人に比べれば大林夫婦はずっと年上であるが、これからそんな先ではなかろう別れに対する「想い」が役者に乗り移っているかのように思えた。したがって映画の中の不可思議な光景は、今の大林監督の心象風景だったのではなかろうか。その意味ではこの作品は重松清の世界よりも大林監督の個人的な想いが勝った作品になっており、深い愛情が作品から感じ取ることができた。

ナンチャンと永作博美で夫婦の別れを描き、筧利夫と今井雅之のエピソードで友人との別れを描き、多くの大林組の常連の役者を呼び寄せ(特に寺島咲は彼女じゃなくてもいいような役だったし、これが遺作となった峰岸徹も出したくて後から付け足したような役だった)盛大な別れの作品を創ったのだと思えた。こんな想いが込められた作品を前に、こちらはただ圧倒されるのみ。映像表現の瑞々しさにも驚かされた。

一般的には不評の嵐に曝されている作品だけど、僕は断固支持します!

その日のまえに.jpg


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「ザ・ローリング・ストーンズ シャイン・ア・ライト」 [映画(2008)]

この映画について言えることは極めてシンプル。

ザ・ローリング・ストーンズに興味のない人は観る必要がない(記事もこの先を読む必要ない)し、好きな人なら必見!

それだけである。

ニューヨークの由緒ある劇場、ビーコン・シアターで行われたライブをストーンズの大ファンである巨匠マーティンスコセッシ監督がフィルムに収めた。ただこの作品はストーンズのライブを撮影したのではない。撮影するためにストーンズがライブを行ったのだ。したがってカメラは実に素晴らしいアングルでメンバーたちのパフォーマンスを捉えている。映画の観客はライブを最前席で、しかも好きな場所に移動しながら参加したかのような臨場感が体験できる。しかし撮影が優先されたコンサートはどうしても当日の観客にとっては邪魔なだけで、テンションが下がりそうなものだが、全く問題ないかのように熱を帯びた空間が生み出されている。これはスコセッシの配慮が上手かったのか、ストーンズの実力がカメラの存在を忘れさせたのか、それともその両方だったのかは分からないのだが、いつも通り(と言い切るほど何遍も体験してはいないのだが)の白熱のコンサートが繰り広げられる。

冒頭、撮影準備の様子が映し出される。何度も舞台のデザインに注文をつけるミック・ジャガーと振り回されている上、当日の曲構成のリストが届かず、演出プランを立てられずにイラつくマーティン・スコセッシ。何となく「いかにも」と思えるエピソードだが、これもスコセッシ流の演出にも思えたりする。そして演奏曲が分からぬまま撮影当日。ビルとヒラリーのクリントン夫妻も現れたりして混沌としたまま時間が過ぎていく。ちょっと映画の観客がダレかけたところで始まる『ジャンピン・ジャック・フラッシュ』。一気に盛り上がるライブの客、と同時にこちらの気分も盛り上がっていく。

60歳を超えているとは信じられないほどの躍動感溢れるパフォーマンスを見せるミック・ジャガー。味のあるキース・リチャーズのギター。予想通りあまり写してもらえないチャーリー・ワッツとロニー・ウッド。ゲストのジャック・ホワイト、バディ・ガイ、クリスティーナ・アギレラもストーンズのメンバーに交じってノリノリ(特にバディ・ガイは凄い)。もうラスト・ナンバー『サティスファクション』まで観終わると「満腹感」で満たされる。振り返ればあの曲、この曲も演奏しなかったとも思えるのだが、これで充分堪能できた。ロックの真髄を見せつけられた。

何だか映画の感想には思えない記事になってしまったが、これでいい。実際に映画を鑑賞したなんて印象は微塵もなく、ストーンズのコンサートを観て来たような気分なのだから。

シャイン・ア・ライト.jpg


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「ラブファイト」 [映画(2008)]

ラブファイト_P.jpgボクシングが好きだということは以前寺山修司が監督した『ボクサー』の記事(→こちら)で書いたので割愛するが、いじめられっ子の主人公がボクシングを通じて成長していく話とあっては黙ってはおれない(って程ではないけど)。それに期待の若手女優の北乃きいも出演している。けど、公開されて結構経つのに評判も聞こえてこず、「多分それ程面白くはないんだろうな」とか予想しながらの鑑賞となった。

いじめられっ子の稔(林遣都)は小さい頃からいつも幼馴染の亜紀(北乃きい)に助けられてきた。高校に入学しても相変わらず不良に追いかけ回される毎日。その原因は可愛くなった亜紀のBFと勘違いされているからで、襲われる度にケンカの達人になった亜紀に救われている。ある日、不良に襲われているところを大木(大沢たかお)に救われる。心酔した稔が後を追ってみるとボクシングジムであった。入門を希望するも、ジムでたった一人のボクサーのタケ(波岡一喜)が病で引退するのを機にジムを畳むつもりであった。タケの説得に折れ、大木はジムを続けることにし、稔も練習生となった。亜紀に内緒で強くなりたいと練習に励む稔。そんな稔に憧れている恭子(藤村聖子)も加わり、練習性も増えていく。しかし平穏な日々は続かず、遂に亜紀にボクシングを習っていることがばれてしまい…というお話。

この冒頭だけ観ると稔と亜紀が中心の物語のようだが、次第に大木に比重が移り、彼の別れた彼女(桜井幸子)まで現れ、完全に主役が大沢たかおに取って代わられてしまう。観ている最中、この映画が大沢たかおのプロデュース作品であることを思い出した。つまり若い二人を表に出しつつ、自分の映画を創ってしまったのだ。したがって稔と亜紀に加えて恭子の微妙な関係を描く部分が減り、細やかな感情の変化がいささか大雑把になってしまったように思えた。

せっかくの面白い素材も古典的なラブストーリーがメインになってしまったかの印象。もっとも古典的なラブストーリーの方が物語的には安定感があるのだが、結局平均的な作品にしてしまった分、違うところでの可能性を削ってしまったのには残念に思えた。

ラブファイト.jpg


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「トロピック・サンダー 史上最低の作戦」 [映画(2008)]

年に1本は「予告編が全てだった」と感じる映画がある。僕にとっては『トロピック・サンダー 史上最低の作戦』はそんな作品だった。つまり予告編でこの映画のツボとも言える場面を出しすぎていたので、本編を観る前に大よその想像がついてしまい、ストーリー展開の意外性が感じられなかった。これは作品と言うより配給会社の責任であろう。それでも予告編で面白そうだから観たのだが、期待を上回るものではなかった。

落ち目のアクションスターのダグ・スピードマン(ベン・スティラー)、下品ネタで人気のあるコメディアンのジェフ・ポートノイ(ジャック・ブラック)、オーストラリア人で演技派のカーク・ラザラス(ロバート・ダウニーJr.)らが共演している戦争映画『トロピック・サンダー』は予算超過で撮影が難航していた。この作品の原作者(ニック・ノルティ)と爆破オタクの特殊効果マン(ダニー・マクブライド)はイギリス人監督(スティーヴ・クーガン)を焚きつけ、東南アジアのジャングルに役者を連れて行き、実戦さながらの撮影をすることになった。しかし、監督は地雷を踏んであえなくバラバラの姿に。ジャングルに取り残された役者達は取りあえず台本に沿って行動し始めるが、彼らを敵と勘違いした麻薬組織の一味が狙いを定めていた。果たして彼らの命は、そして撮影はどうなっていくのか…というお話。

監督がバラバラになっちゃうところとか予告編で観ちゃってるから、意外性なんかありゃしない。まっさらで観たら、このあっけなさが意外でド~ンと笑えた場面なんだろうけど、それがない。ロバート・ダウニーJr.が黒人になり済ますのも分かっていたし、ジャック・ブラックのオナラ芸も観てしまっていた。こんなネタバレ過剰だと笑うに笑えない。本当に配給会社は余計な事をしてくれたものだ。

それから気になったのはアジア人の扱い。野蛮で無知な描き方に引っ掛かるものがあった。監督も兼ねているベン・スティラーの上から見下しているような視点が感じられ、高慢に思えてしまった。もしかしたらネタバレ以上にこちらの方が素直に笑えなかった原因なのかもしれない。何となくアメリカ人にとってベトナム戦争とは何だったのか、と思えてしまった。

もしもこの記事を読んでくれている人が予告編を観ていなかったら、それなりに笑えるかもしれないが、観ていたら敢えて本編を観る必要はないかもしれない。多分想像の範囲内の展開でサプライズは殆どない。いや、ひとつだけあった。トム・クルーズ…(それ以上は言うまい)

トロピックサンダー.jpg


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「ハッピーフライト」 [映画(2008)]

転勤のお陰で今年の下半期は飛行機に乗る機会が頻繁にあった。飛行機が空港ターミナルを離れ、滑走路に向かうためにゆっくりとバックしていく。ふと窓の外を見ると整備士(だと思う)が横一列に並んで、こちらに向かって手を振っている。実はあれに弱い。いい歳こいたオッサンがその光景を目にするたび、胸が

キュン

としてしまうのだ。そして「いいな~」と思ってしまう。他人の胸を打つ仕事。そんな職業に就きたかったと…

この『ハッピーフライト』にはそんな人たちも登場する。飛行機内だけではなく、飛行場で働く人たちも大勢活躍(?)する群像劇。いや、飛行場に止まらず、飛行場の外で鳥を追っ払う人も登場するか。いやいや、乗客や飛行機マニアと、兎に角飛行機に纏わる大勢の人が出入りする。こんな賑やかなドラマのメガホンを握ったのは軽快なタッチで楽しませてくれた『スウィングガールズ』(→記事)の矢口史靖監督。こりゃあ、いかにも面白くなりそうだったのだが、さにあらず。

基本的に矢口監督という人は人間の捉え方が

幼稚

であるように思えた。前作の『スウィングガールズ』は高校生が主役だからいい加減で無責任でおバカでも「高校生ってそんなもんだよな~」で済んだが、社会人、それも人の生死に係わる職業の人たちが、雑で適当な人間像にしてしまっては洒落にならない。特に主要人物のキャビンアテンダント(綾瀬はるか)がいけない。国内線のCAから国際線に異動して最初のフライトという設定であったが、国際線ならではの失敗をしでかしてしまうなら分かるが、どう見ても新人以下のドシロウトなドジの数々。仮にも国内線でCAとして働いていたなら、その時点で絶対やってはならない行為の連発で、大馬鹿者にしか見えないのだ。国内線のCAと国際線のCAのレベル差が大きいことを言いたかったのかもしれないが、それにしても幼稚な人物描写でヒドイとしか言いようがない。これならちょっと気の利いた未経験者の方がマシなくらいである。非常事態時にポッケに入れていた薬の小瓶が飛び出して、それが通路を転がり蓋が開いて中身が出てしまう、なんて絶望的な失敗である。彼女の上司のCA(寺島しのぶ)に代わって

CA失格!

と宣告したいくらいである。

彼女以外でも新人パイロット(田辺誠一)もチャラチャラしていて危なっかしいし、新人整備士も自覚が足りない仕事ぶり。こんな人たちの群像劇を観ていると

飛行機でマトモに目的地にたどり着くことは奇跡

にしか思えなくなってしまう。この映画、全日空の全面協力があったようだが、実は観る前に航空会社のバックアップがあるなら、気を使って行儀のよい作品になるのかと予想していたが、それは全くの危惧に終わったようだ。こんな内容でよく文句が出なかったものだとANAの懐の深さに感心してしまった。

おそらく矢口監督には大人の映画は無理だと思える。この映画では事前にかなりの取材をしたと何かの記事で読んだが、いろいろな人を取材したところで、頭の中にあるのは「この人にどんなドジ踏ますか」しかなかったと思える。今後は子供を扱った映画で馬鹿っぷりを見せるのが矢口監督には最良の選択であろう。これが『ハッピーフライト』を観ての結論である。

それにしても滑走路で手を振る仕事、やれないかな? 整備士になるのは逆立ちしても無理だから、ただひたすら飛行機に向かって手を振る役…こんなこと考えてるようじゃ、自分も矢口監督のことを幼稚だなんて言う資格ないかもね。

ハッピーフライト.jpg


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「GSワンダーランド」 [映画(2008)]

1960年代末期から1970年代初頭までの、GS(グループサウンズ←まぁ、ゆる~いポップスですな)を題材にした青春映画。目の付けどころが他とは一線を画した感があるに興味をひかれて鑑賞してみた。しかし、映画のアイディアが閃いた時点で創り手が満足してしまい、内容が伴わないこともよくあるパターンなので、ちょっと不安を抱えつつ席に着いたのだが…

GSブームに沸く1968年。GSに憧れてグループ〈ザ・ダイアモンズ〉を結成したマサオ(石田卓也)、シュン(水嶋ヒロ)、ケンタ(浅利陽介)。ひょんなことから芸能プロダクションの社長(武田真治)にスカウトされ、レコードデビューも間近に思われたが、レコード会社から3人では弱いと却下されてしまう。慌てて社長が連れてきたもう一人のメンバーは、数日前にプロダクションに売り込みにきたミク(栗山千明)だった。男装して誤魔化していたが、メンバーにはばれてしまい、ギクシャクしながらもデビューとなる。しかしさっぱり売れず、方向転換を余儀なくされる。困ったレコード会社の担当者(杉本哲太)は彼らにタイツを履いた王子様ファッションを思いつく。グループ名も〈ザ・タイツメン)に改名し再デビュー。これが当たり、人気はウナギ登り。特に男になり済ましたミックと名乗ったミクに人気が集中し…というお話。

これが予想以上に面白かった。何しろ1960年代後半の雰囲気がよく出ている。僕は子供過ぎてこの映画の主人公たちとは交わらないような生活を送っていたものの、何となく時代の雰囲気は覚えている。だから面白いと同時に懐かしいとも思えた。音楽もオリジナルだが、橋本淳作詞、筒美京平作曲といった凝りようで、当時っぽい曲が映画を盛り上げる。

…と書いていくと絶賛しているかのように誤解されそうだが、物足りなさもあった。何しろ主人公たちがあまり苦労せずに成功していくので、その分共感度が低く、クライマックスで感動するまでには至らなかった。時代を再現する面白さや懐かしさは伝わったが、それ以上はなかった。お話にもうひと工夫があれば…とちょっと残念。

とは言え、本田隆一監督が用意したオチはグンバツ。これには「ヤラレタ~」っとなること請け合い。

GSワンダーランド.jpg


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